阪神側に比べ西武の三塁側席に空席が目立つベルーナドーム(2023年6月1日撮影) ■6月4日 阪神戦が生活の一部になっている者にとって、なじみのない数字だった。5月30日からの敵地での西武3連戦。ベルーナドームに虎党が大挙、駆けつけたと言われたが、観客は第1戦から1万8610人、1万7479人、1万7998人…。圧倒的な集客力を持つタイガース戦なのに1万人台だった。
天候に左右されないドーム球場を本拠地とする西武の主催ゲームの平均観衆は2万人ちょっと。その数よりも少ない。DeNAを迎えた楽天のそれは約1万8000人だが、3試合とも、平均より約5000人減だった。入りの悪さに、両球団の営業関係者は誤算だっただろう。
お気に入りのチームがわが町に来る。同一リーグでは足を運べないスタジアムに行ってみたい、が2005年から始まった交流戦の魅力のひとつ。コロナによる20年の中止を経て、今年で18回目。慣れと飽きのはざまで揺れ動いている。
オリックス、ヤクルトと、ここ2年間は交流戦覇者がリーグを制するなど、劇的な結末はなく、時間がたてば当然、新鮮味も薄れる。1カード3試合の18試合制。裏ローテと当たるチームがあれば、逆もある〝不公平感〟を問題視する声もあるが、個人的には毎年、新しい発見があり、楽しみにしている。
「前に比べたらパ・リーグもそんなダントツ強ないよ、はっきり言うて。セ・リーグも強いで。勝ち越すんじゃないかな」とは阪神・岡田監督の弁。首位を快走する指揮官はセの3年連続勝ち越しを予告している。「人気のセ」「実力のパ」の線引きが消えた。今後は何をウリにすればいいのか。このままだと、いつかは存在価値が問われる。曲がり角に入った交流戦。次のアイデアとドラマが必要だ。(稲見誠)