地球から宇宙に飛び立つシーンを表現した壮大な祭壇を前に、お別れの言葉を述べる野沢(左)と池田©松本零士/零時社 2月に死去した漫画家、松本零士さん(享年85)のお別れの会が3日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで営まれた。代表作「銀河鉄道999」の世界観を表現した祭壇や展示物が飾られた〝銀河葬〟には、ファンを含めて約3000人が参列。実行委員長を務めた盟友の漫画家、ちばてつや氏(84)は「誰がどう見てもこれ以上ない、充実した人生」とたたえた。
多くの子供たちに宇宙への夢を育み続けた巨匠が、999号に乗って〝星の海〟に旅立った。
青と白の花々で彩られた地球が鎮座する祭壇。中央から伸びる線路の先には、愛猫・ミーくんを抱く優しい表情の松本さんの遺影が。「―999」のキャラクター、星野鉄郎とメーテルのパネルも設置され、2人に見守られながら宇宙に飛び立つ松本さんの姿が表現された。
松本零士お別れの会でお別れの言葉を述べるちばてつや ©松本零士/零時社松本零士お別れの会でお別れの言葉を述べる野沢雅子 ©松本零士/零時社弔辞を務めたちば氏は、65年前の初対面から振り返り、「大昔…、北九州の小倉から夜汽車に乗って上京した詰め襟の少年が、85年間の人生で素晴らしい大きな足跡を残した」としみじみ。「私もね、もう少しだけ頑張ったら、松本さんのいる銀河系を追いかけていきますから。そしたら今度こそ、ザブトンのようなビフテキを一緒に食べようね。じゃあいってらっしゃい」と送り出した。
献歌として歌手、ささきいさお(81)がアニメ「―999」の主題歌を熱唱したほか、ロックバンド、ゴダイゴのボーカル、タケカワユキヒデ(70)が劇場版「―999」の主題歌をピアノの弾き語りで披露。X JAPANのYOSHIKIらから弔電も届けられた。
お別れの会は関係者向けの第1部が午前11時から開かれ、アニメ「―999」で主人公・鉄郎役を務めた声優、野沢雅子(86)やヒロイン・メーテル役の池田昌子(84)、宇宙飛行士の山崎直子さん(52)らが参列。午後2時から行われた一般向けの第2部と合わせて約3000人が献花に訪れた。