濃霧のためサスペンデッドとなり、コースを引き揚げる木下彩(中央)、大西葵(右)ら(撮影・蔵賢斗) リシャール・ミル・ヨネックスレディス第2日(3日、静岡・朝霧ジャンボリーGC=6687ヤード、パー72)濃霧のため日没サスペンデッドとなり、1組3人しか競技を完了できなかった。7月の「全米女子オープン」で初の海外メジャーに挑戦する木下彩(24)=長府製作所=は16ホールを終えて3アンダー。競技を終えていない中では、阿部未悠(22)=ミネベアミツミ=が、残り2ホールで7アンダーとスコアを伸ばしている。
ティーショットを放つ木下彩=朝霧ジャンボリーゴルフクラブ(撮影・蔵賢斗)5日前の29日に千葉で行われた「全米女子オープン」の日本地区予選を3位で突破した木下の勢いが止まらない。大会期間中のベストスコア賞500万円が懸かった16番(パー4)などで5バーディー(2ボギー)。濃霧でホールアウトはできなかったが、自身のゴルフは極めて視界良好だ。
「ビリからダブル役満を上がった気分。全米なんて奇跡でしょう。いい流れに乗れています」
家族で楽しむ大好きなマージャンに例えれば、国士無双を13面待ちで上がった気分だと高笑いする全米切符。「ワンチャンあるかも…」と2月に人生初のパスポートを取得したひらめきは現実となったが、「まだ取りに行ってないんです」とまたケラケラと笑った。
2018年のプロテストに合格し、これまでは昨年の「フジサンケイレディス」の6位が最高。前日は悪天候で中止となり、この日はスタートがコースコンディション不良で4時間30分も遅れ、最後は霧で中断してのサスペンデッド。ドタバタの短期決戦もスムーズに滑り出した。
「役満はもういいから2位狙いで…」
あっけらかんとして性格、話し方など親友でもある渋野日向子にそっくりで、渋野からは「あやたん」と呼ばれる。7試合連続予選落ちからの復活モード。初Vという〝トリプル役満〟も見えてきた。(臼杵孝志)
濃霧で中断し、談笑する小祝さくら(右から2人目)ら=朝霧ジャンボリーゴルフクラブ(撮影・蔵賢斗)