ついに名人に-。将棋界で最も伝統のあるタイトルを最年少で制した藤井新名人。7つのタイトルを同時保持し、まさに無敵、まさに異次元!=1日夜、長野県高山村(撮影・川口良介) 藤井名人誕生! 挑戦者の藤井聡太六冠(20)=棋聖・竜王・王位・叡王・棋王・王将=が渡辺明名人(39)を94手で破り、対戦成績4勝1敗で名人位を奪取した。20歳10カ月での獲得は史上最年少。7冠になるのも最年少で、羽生善治九段(52)に続き2人目、最年少での達成だ。2020年7月に初タイトルの棋聖位を奪取してからタイトル戦無敗の異次元の強さ。今秋にも可能性がある史上初の全8冠制覇にも王手をかけた。
〝天才少年〟から〝絶対王者〟に-。1日午後6時53分、藤井新名人が誕生した。
「まだ実感はわかないんですけど、非常にうれしく思いますし、とても重みがあるタイトルだと思うので、今後それにふさわしい将棋を指さないといけない」
2日間の激闘の余韻が残る対局室。終局後、普段と変わらない静かな口調で喜びをかみしめた。
谷川浩司十七世名人(61)の21歳2カ月を40年ぶりに更新し、最年少で名人位を奪取。7冠は羽生九段以来27年ぶり。最高峰タイトルの竜王、名人の同時保持経験者は羽生九段、谷川十七世名人、森内俊之九段(52)、豊島将之九段(33)に続き5人目だ。
名人位は将棋界で最も長い400年以上の歴史と伝統を誇るタイトル。「子供の頃から憧れの気持ちを抱いていたので、獲得できたことにはすごく感慨深いものがある」。小学4年生の時、自己紹介カードに書いた将来の夢が「名人をこす」こと。有言実行する形で大願を成就した。