米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)は5月31日(日本時間6月1日)、シカゴでのホワイトソックス戦に「3番・DH」で出場し、今季初の1試合2本塁打で12―5の勝利に貢献した。重心を低くし、下半身をより使えるフォームに変更して、復調のきっかけをつかんだ。サンケイスポーツ専属評論家の小早川毅彦氏(61)が大谷の打撃を分析した。
大谷は「構えが良くなった」といった趣旨のコメントをしたようだが、大きな違いは見当たらない。
昔から「構え」を大事にしている選手で、おそらく本人の感覚的な部分での変化だろう。あれこれと試してたどり着いたというわけではなく、選手に調子の波があるように、今は構えた感じがしっくりきているのだと思う。
14、15号とも速球をしっかりと自分のポイントで捉えていた。11号までは低めの変化球を拾うような形が多かったが、高めのカットボールを中堅左に運んだ12号(日本時間5月25日)あたりから内容は良くなっていた。
実は同31日の13号についてNHK・BS1のスポーツ情報番組「ワースポ×MLB」で解説を務めた私は「待ちに待ったホームラン」と表現した。これまで空振りしたり、捕手寄りのポイントでバットに当たってファウルになるなど対応に苦しんでいた高めの直球を、今季初めてと言っていいくらい完璧に打ち返したからだ。
その矢先、一夜明けて2打席連続本塁打が飛び出した。いよいよ量産への〝ゾーン〟に突入したと感じさせる2本だった。(サンケイスポーツ専属評論家)