笑顔で4勝目のポーズをとる巨人・山崎伊織=ZOZOマリン(撮影・斎藤浩一) (日本生命セ・パ交流戦、ロッテ2-3巨人、3回戦、巨人2勝1敗、1日、ゾゾマリン)先発投手が完投する。最低でも七回まで投げ、中継ぎを少なくして、大勢につなぐ。それが巨人浮上へのステップ。エモトが口を酸っぱくして言ってきたことを、どうにか実践してくれたね。
ボールがめちゃくちゃ速いわけでは、ない。コントロールはほどほど、ある。そんなタイプの山崎伊が覚えるべきものは、対角線へのピッチングだ。七回1死一塁での中村奨への攻め方が、まさにそれ。インハイのストレートのあと、アウトローのスライダーで空振り三振。二盗も阻止してゲッツーを完成させた。
投球数は100を超えていたけど、この回に投げたストレートが最も速かった。経験上、投手とはそういうもの。終盤にギアが入り、エンジンがもうひと回転して、力がよみがえる。この感覚も覚えて、120球、130球と平気で伸ばせるようになってほしい。
戸郷に続く完投能力のある先発が、1人でも増えないと、安定した貯金生活は望めないからね。(サンケイスポーツ専属評論家)