名人戦の対局が行われた「緑霞山宿 藤井荘」の玄関前で写真撮影に応じる藤井聡太名人=2日午前、長野県高山村(川口良介撮影) 将棋の第81期名人戦七番勝負を制し、史上最年少名人と7冠を達成した藤井聡太新名人(20)=棋聖・竜王・王位・叡王・棋王・王将との7冠=が対局から一夜明けた2日、長野県高山村の「緑霞山宿 藤井荘」で記者会見した。
前夜は部屋で対局について振り返った後、深夜0時に就寝して午前6時に起床したという藤井新名人。会見を前に色紙に「温故知新」と揮毫し、「これまでと違って緊張感がありました。同時に改めて獲得の実感がありました」と心境を明かした。自身の前に最年少名人記録を持っていた谷川浩司十七世名人(61)も記した言葉であるこの文字を選んだ理由は、名人という称号に長い歴史があることを踏まえ、「昔の棋士の方の棋譜を今までは並べたりする機会が少なかったけど、少しずつしていければ。谷川先生が揮毫されていた言葉で、そこを意識したというところもあります」と語った。