八回、空振り三振に倒れ、ベンチに戻った時の阪神・佐藤輝明 =ベルーナドーム(撮影・尾崎修二) (日本生命セ・パ交流戦、西武4ー0阪神、2回戦、1勝1敗、31日、ベルーナD)現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は再三のチャンスを生かせなかった打線に「危険信号」が出ていたと案じた。
七回までの6イニングで走者を二塁に置いておきながら、1点も奪えなかった。先発の西勇も踏ん張り切れなかったが、この試合に関しては打線がすべてだったと思う。西武はローテの谷間で、必死でつないできた。5安打と6四球で塁上をにぎわせたが、いい時であれば5、6点は取っていただろう。つながりを欠いての完敗で、ズルズルといってしまう危険信号を感じる。
「連勝があれば必ず反動がある」は我々の時代から言われている。長いシーズンの中では必ず、つながりが悪くなる時がある。決めるべきところを決められなかった試合を機に一変することも多い。9連勝後のただの1敗で終わればいいが、負け方が気になる1敗だっただけに、岡田監督がもう一度引き締め直してくれると願いたい。
連勝が止まった一方、佐藤輝には4試合ぶりの安打が出た(六回1死で左翼線二塁打)。だが、当てたヒットだった。彼のいい形は右翼線へ引っ張る打球。今の形が悪いとは言わないが、投手は「ヒット狙いでくるのならオッケーだな」という心理にもなり、割り切って投げることができる。シフトの頭を越えていくような打球を打ってくれることを願っているし、そういった打撃が彼の一番の魅力だと思う。