将棋の第81期名人戦七番勝負第5局1日目に臨む渡辺明名人(右)と藤井聡太六冠=長野県高山村(日本将棋連盟提供)
ギャラリーページで見る将棋の藤井聡太六冠(20)=棋聖・竜王・王位・叡王・棋王・王将=が渡辺明名人(39)に挑む第81期名人戦七番勝負第5局が31日、長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」で指され、1日目を終えた。
3勝1敗の藤井六冠が本局に勝てば、谷川浩司十七世名人(61)が持つ21歳2カ月の記録を40年ぶりに更新して史上最年少名人、羽生善治九段(52)に続く史上2人目の7冠となる。
対局室には午前8時47分に藤井六冠、同50分に渡辺名人がそれぞれ入室した。午前9時、対局開始。先手の渡辺名人は少考した後、初手を指し、藤井六冠はいつも通りお茶を一口飲んでから初手で飛車先の歩を突いた。渡辺名人は角換わり模様に進めたが、藤井六冠は角道を止めた。第3局と同じ進行で角交換をせず、藤井六冠は雁木、渡辺名人は矢倉に構えた。
午前10時、対局者におやつが提供された。藤井六冠は、長野県須坂市の和菓子店「コモリ餅店」の銘菓「一万石」を注文。卵、砂糖、小麦粉以外使用しない完全無添加のブッセに、地元産あんずジャムと柑橘風味のバタークリームを挟んでいる。飲み物は「アイスコーヒー」。渡辺名人は長野市の洋菓子店「パティスリー ケイノシン」の「ローズクレイア」を注文。サクランボと白ワインのムースケーキという。飲み物は高山村産ふじ100%の「りんごジュース」を選んだ。
正午を前に藤井六冠の手番で昼食休憩に入った。藤井六冠の昼食は「信州ポーク勝カレー」、渡辺名人は「握りずし(多め、さび抜き、セットのかけ蕎麦とデザートは抜き)」を注文した。
午後1時から再開。互いに30分以上じっくり時間を使って長考している。午後3時のおやつは、両者ともに「レモンのオペラ」を注文。長野市の洋菓子店「パティスリー ケイノシン」の商品で、さわやかな酸味のあるレモンケーキという。飲み物は藤井六冠が「林農園しぼったままのぶどうジュース(ナイアガラ白)」、渡辺名人が「アイスコーヒー」を選んだ。
午後6時半過ぎ、藤井六冠が56手目を封じて1日目を終えた。形勢はほぼ互角。対局は6月1日午前9時から再開される。持ち時間は各9時間。同日夜に終局する見込み。