5回、ヤクルト・村上宗隆は三振に倒れ、頭を抱えるヤクルト・高津臣吾監督=エスコンフィールド北海道(撮影・三浦幸太郎) (日本生命セ・パ交流戦、日本ハム2-1ヤクルト、1回戦、日本ハム1勝、30日、エスコン)うしろを振り返ったら暗闇しかない。前だけ向いて光を見つける-。今のヤクルトに必要なのは、この思考回路だ。
先発・石川は万波に浴びた2発が痛恨? うまく打たれた。ソロ本塁打なら、やむなし。内容もテンポもよく、7回2失点は十分な仕事。
村上は走者を置いて3三振? 五回のそれは、フルカウントから外角低めのカットボールを、完全なボールと見切ったところ、判定が逆に出ただけ。二回に強烈な中前打を放ち、先制のホームを踏み打線を引っ張った。
下半身に不安を抱える山田も、復帰即2安打とチームを勇気づけた。総じて選手の動きはよく、試合内容も広島での3連敗時とは質が違う。送りバントを確実に決めるなど、基本をこなせば、間もなく本来の姿に戻る。
……などと、無理やりにでもポジティブにとらえる。舞台は交流戦に移り、球場は初体験のエスコン。私が現地で実際に思ったのは、スタンドが近く、熱気が伝わりやすいこと。こうした感覚までも含めて、気分一新の材料にしたい。(サンケイスポーツ専属評論家)