一回、三走の阪神・中野拓夢を招き入れる遊ゴロを放ったシェルドン・ノイジー=ベルーナドーム(撮影・安部光翁) (日本生命セ・パ交流戦、西武1ー3阪神、1回戦、阪神1勝、30日、ベルーナD)現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は2点目を挙げた一回無死三塁からの阪神・シェルドン・ノイジー外野手(28)の遊ゴロに言及。追い込まれながらも、打点をマークしたN砲の一打で勝負が決まったと断言した。
今季の強さを象徴する交流戦開幕だった。1点を取れるところで確実にとる。近本、中野の連続三塁打で先制した直後の一回無死三塁がハイライト。転がせば1点という場面でノイジーは追い込まれながらも遊ゴロを放ち、中野をかえした。もしノイジーが倒れて1死三塁で大山となればプレッシャーがかかっただろうし、試合の行方はわからなかった。2点のリードをもらったからこそ、先発の村上も落ち着いて自分の投球ができた。
五回無死一塁、1球目で犠打を決めた坂本も見事だった。サインが出る前から準備ができている。木浪が左前打で出塁した瞬間から坂本は心づもりしていたのだろう。打線は水もので大量得点できる試合は多くない。七回、源田の痛烈なゴロを処理し、一塁に正確な送球をした佐藤輝も三塁に慣れてきた証拠。対戦経験の少ない交流戦では細かな野球がモノを言う。スタメンをなるべく固定し、自分の役割を認識させてきた岡田野球の勢いはさらに加速するのではないか。
村上は無四死球と存分に持ち味を出していた。4番・渡部から2三振を奪ったフォークもさえていた。四回、陽川にはカーブを左翼ポール際まで運ばれたが、ファウル。これも運があるということ。そしてフォークで空振り三振。2球連続で失投しないということが村上の素晴らしいところ。坂本のインサイドワークも光っていた。
リーグ戦では試合終盤に得点することが多かったが、1カード3試合しかない交流戦は先手必勝、好球必打。一回の2点目で勝負ありだった。