大谷は6回2失点で試合をつくったが、内容に満足していなかった(共同) 【アナハイム(米カリフォルニア州)27日(日本時間28日)=丹羽政善通信員】米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)はマーリンズ戦に「3番・投手兼DH」で先発し、6回を投げ6安打2失点(自責点1)。6勝目はならなかったが、10三振を奪い、今季90奪三振でリーグ単独トップに立った。打者では4打数無安打。チームは延長十回、5―8で敗れた。
珍しく感情をあらわにした。4―4の九回無死一塁。大谷は外角シンカーを打ち返したが、ライナーが三塁手の正面へ。好機を広げられず、ベンチに戻るとバットを荒っぽくバットケースにほうり投げ、ヘルメットをたたきつけた。
九回、三直に倒れた大谷は不満顔。ベンチで珍しくヘルメットをたたきつけた(共同)「勝ち切るなら、やっぱりあの回(九回)。最低限、(一走のトラウトを)進塁させて、決めるしかなかった」
三回1死一塁でチェンジアップに崩されて二ゴロ。五回1死一、二塁でも二塁への併殺打に倒れた。「振っているのが難しいコース。きっちり甘い球を打てるかどうか」。凡打が続き、自問するように語った。
投手としてもかみ合わなかった。「良くもなく、悪くもなく。最低限の6(回)は投げられたので、そこは良かったところ。点数を取られたところは、もう少し良い投球ができた」と厳しい表情だった。一塁への悪送球で2年ぶりの失策を犯した一回、五回ともに2死から四球を与えた直後に適時打を浴びた。
この日、許した6安打のうち、4安打が打球初速80マイル以下。74度目の先発で初めてハードヒット(相手の打球初速が95マイル以上)を一本も許さず、ことごとくバットの芯を外したが、「四球で流れが変わる。もったいない」と反省した。6回2失点10奪三振で降板。今季90奪三振でリーグ単独トップとしたが、リリーフが逆転を許し、6勝目はならなかった。
「自分のできることをやっていくことが、チームが勝つ確率を上げることになる作業」
投打で消化不良も前を向いた。このイライラはバットとマウンドで晴らす。