将棋の第8期叡王戦五番勝負第4局に臨む左から藤井聡太叡王、菅井竜也八段=岩手県宮古市(日本将棋連盟提供)
ギャラリーページで見る将棋の藤井聡太叡王(20)=棋聖・竜王・王位・棋王・王将との6冠=に菅井竜也八段(31)が挑む第8期叡王戦五番勝負第4局が28日、岩手県宮古市の「浄土ヶ浜パークホテル」で指されている。
藤井叡王は現在2勝1敗で3連覇に王手。渡辺明名人(39)に挑戦中の名人戦七番勝負も3勝1敗で史上最年少名人と7冠まであと1勝に迫り、叡王戦と名人戦で〝ダブル王手〟をかけている。
藤井叡王にとって岩手初対局で勝てば3連覇、菅井八段が勝てば最終局へもつれ込む大一番。対局室には午前8時45分ごろ、菅井八段が入室し、その後、藤井叡王が姿を見せた。先手の菅井八段が4局連続で三間飛車に構えた。
午前10時、主催の不二家のおやつが提供された。藤井叡王は「不二家特選あんみつ(国産天草寒天使用)」、菅井八段は「ハイカカオチョコタルト」を注文。飲み物はともに「アイスコーヒー」を選んだ。
午前10時51分、同一局面が4回現れたため、44手で千日手が成立。同11時半から先後を入れ替え、持ち時間はそのままで、指し直しとなった。残り時間は藤井叡王が3時間4分、菅井八段が3時間6分。藤井叡王にとっては昨年6月3日、千日手が2回成立した棋聖戦第1局以来の千日手指し直し局となる。
午前11時半、千日手指し直し局が始まる。先手の藤井叡王はいつも通りお茶を一口飲んでから飛車先の歩を突いた。菅井八段は再び三間飛車に構え、相穴熊となった。
正午、昼食休憩に入った。藤井叡王の昼食は「短角牛のローストビーフ丼とミニ冷麺」、「真崎若布と季節の野菜サラダ」。菅井八段は「三色丼(生うに・宮古サーモン・いくら)」、「真崎若布と季節の野菜サラダ」、「あら汁」、「岩手のお新香」、「フルーツ」を注文した。短角牛、冷麺、うになど両者は岩手グルメを楽しんだ。
午後1時から再開。昼食休憩以降も拮抗状態だったが、午後3時のおやつを前に駒がぶつかりは始め、戦いが本格化。主催の不二家が提供したおやつは、藤井叡王が「宇治抹茶のバウムクーヘン」。飲み物は「アイスレモンティー」。宮古市の特産・片面紫蘇のエキスにハチミツをブレンドしたというドリンク「川井ペリーラ」も注文した。菅井八段は、午前に藤井叡王も注文した「不二家特選あんみつ(国産天草寒天使用)」。飲み物は「コーラ(氷なし)」を選んだ。
午後6時32分、116手で2度目の千日手が成立。先後を入れ替え、先手番が菅井八段になり、午後7時15分から再開される。藤井叡王にとって2度の千日手成立は、昨年6月3日の棋聖戦第1局以来となった。
2度目の千日手成立後、対局者は軽食を取った後、午後7時15分、2度目の指し直し局が開始。持ち時間は藤井叡王が1時間、菅井八段が1時間6分。菅井八段は再び三間飛車に構え、相穴熊となった。
午後9時8分、菅井八段が投了。藤井六冠が90手で勝利し、3連覇を果たした。