9回、選手交代を球審に告げる阪神・岡田彰布監督=甲子園球場(撮影・渡辺大樹) (セ・リーグ、阪神3-2巨人、7回戦、阪神5勝2敗、27日、甲子園)分かりやすく采配に「吉凶」が出た。七回の攻防が明暗を分けたね。
原監督は先頭の大城卓が右前打で出ると、代走に増田大。続く長野に打たせて遊ゴロ併殺となった。普通の強攻策なら、まず代走という細工をする必要はない。それ以前に前半ならいざしらず、0-0の終盤。常識的に送りバントだ。右打ちに徹したり、小技の利いたりする打者ならいざしらず、どう見ても送りバントだ。
その裏の阪神・岡田監督は、1死から坂本が四球で出ると3割打者の木浪に送りバントをさせた。代打・渡辺諒は四球でチャンスに強い近本に回ると巨人のバッテリー、内野陣、コーチがマウンドにわさわさ集合。この時点で重圧にさいなまれて勝負アリだったね。
相手にいかにプレッシャーを与えるか。1点を争うゲームとなれば、なおさらそのシチュエーションづくりは必須。阪神に大きく離され、何とかしようという原監督の気持ちも分からないではないけど、チームが上昇するまではオーソドックスにいくべきだよ。(サンケイスポーツ専属評論家)