クラフトビールに限らず、複数人で酒を飲むのは楽しい。だが、多くの人数で飲めば飲むほど困ったことが起こる。飲んだビールのメモを取れなくなるのだ。傍(はた)から見れば些細(ささい)なことなのだが、新たなビール(特にIPA)を飲んだときは、どんなビールだったかをメモしたい。ずっと続けてきた習慣だけに、複数人で飲むとそれがおろそかになるのはつらいのだ。
ひとりで飲むときは間違いなくメモも取れるし、この連載を始めてからはビールの写真も撮っている(2杯目に頼んだビールだけ撮影を失念したことはあるが)。2人で飲むときも、なんとかメモを残せる。3人以上となると、1、2杯目までは「ちょっと失礼」と言ってメモを残せるが、酒が入って話が多岐にわたるとメモを取る時間が少なくなる。しまいにはメモを取らなくなることも…。写真も、あとで見たらどれがどれだかわからなくなってしまい、掲載できない事態となる。
今回もその例に漏れなかった。
話が楽しくて、途中からビールメモ&写真撮影どころではなくなってしまった。
東京・代々木にあるWHで飲んだビールは以下の通り。
リパブリュー「沼津ヘイジー」
リパブリュー「69IPA」
バーバリックワークス「シュレッダー」
リヴィジョン「スナーフスナーフ」
伊能忠次郎商店「INOU White(イノウホワイト)」
とはいえ、メモはこれだけ。
沼津ヘイジー 薄めの黄色いヘイジー。甘いヘイジーらしいヘイジー。
69IPA クリアなくすんだ黄金色。ホッピーで苦みしっかりのビール。
シュレッダー ほんのり濁った薄めのブラウン。モルティーで苦みもガツン。ハイアル感も半端ない。
スナーフスナーフ 薄めのオレンジ色のヘイジー。だいぶ癖がある。
INOU White 苦みある。
伊能忠次郎商店の「INOU White(イノウホワイト)」こうなると頼みの綱は、答え合わせ用に撮っておいたメニューにある各ビールの説明書きに頼るしかない。
まずは沼津ヘイジー。〈ヘイジーIPA。グアバ・パイナップルを思わせるようなトロピカルリッチな香りとレモン・オレンジのようなシトラス感があります。オーツ麦の口当たりが滑らかです。イーストのエステル香は高め。Hazyスタイルより、少しだけドライになるように仕上がっています。〉アルコール度数は6・2%。ドライ? 僕の「甘いヘイジーらしいヘイジー」という感想と違う。1杯目にして〝不正解〟とは残念。リパブリューは静岡のブルワリー。
続いて69IPA。〈ウエストコーストIPA。えぐみは極限まで少なく、しっかりと苦いのにサラッと流れる。名前にもある通りIBUが69。強烈なホップのインパクト、クリアな味わい、とてもドライでドリンカブルなビールです。タンジェリンやピンクグレープフルーツを思わせる複雑な柑橘系の香りがメインです。〉アルコール度数は6・9%。だから名前が「69」なのか? こちらは当たりといっていい。