霧馬山を寄り切りで下し、優勝を決め懸賞の束を手にする照ノ富士=両国国技館(撮影・土谷創造) 大相撲夏場所14日目(27日、両国国技館)結びは期待通り、力のこもった大一番になった。霧馬山が左でおっつけ、狙い通り照ノ富士の右差しを許さなかった。しかし、照ノ富士の圧力がすごかったのか、動き回って攻めることができず、命綱の右前まわしから徐々に自分の体勢に持ち込んだ横綱が、最後は巻替えの応酬から一瞬の勝機を逃さずに寄り切った。
土俵際、放した右手で霧馬山の喉元をグイと突く迫力満点の寄り切り。審判長として土俵下にいたが、それこそ館内が揺れるぐらいの大歓声だった。みんなが横綱が戻ってくることを待っていて、優勝でそれに応えた感じだ。
8回目の優勝で回数だけの比較では他の大横綱にかなわないが、いろんな葛藤をはねのけた内容の濃い優勝で、すごい横綱だというほかない。(元大関武双山)