三回、捕邪飛に倒れる村上。右奥は高津監督(撮影・林俊志) (セ・リーグ、広島4-1ヤクルト、8回戦、広島5勝3敗、27日、マツダ)セ・リーグ5位のヤクルトは広島8回戦(マツダ)に1―4で敗れて1分けを挟み9連敗。リーグ3連覇を目指した今季の46試合目で、早くも自力優勝の可能性が消滅した。先発したディロン・ピーターズ投手(30)が7回4安打1失点と好投したが、打線が6安打1得点と援護できなかった。投打のかみ合わない試合が続くが、高津臣吾監督(54)は「優勝を目指して頑張る」と必死に前を向いた。
投打の歯車がかみ合わない今季を象徴するような一戦となった。先発のピーターズが7回1失点の好投も、打線が広島の森下から得点できず。終わってみれば、一回に連打と四球で作った1死満塁の先制機が唯一の好機となり、ものにできなかったのが痛かった。
高津監督は「(チャンスが)そこ(一回)しかなかった。あとはもうほぼパーフェクトで(抑えられた)。あそこで1点でも取って、援護して二回以降を迎えたかったというのは正直あります」と振り返った。
ヤクルトは5月14日の中日戦(神宮)を最後に白星から遠ざかり、16連敗を喫した2019年以来の大型連敗は9(1分けを挟む)に伸びた。この日、首位の阪神が勝利したため、今季46試合目で早くも自力優勝の可能性が消滅。高津監督は「もがいて、もがいて歯を食いしばって粘っていく必要がある」と険しい表情だった。
とはいえ、あくまで数字上の話。阪神とは13ゲーム差をつけられ、最下位中日には0・5ゲーム差に迫られているが、過去には2008年に巨人が13ゲーム差をひっくり返してリーグ優勝を果たした例もある。指揮官は「優勝を目指して頑張ります」と懸命に前を向く。
昨季までリーグ連覇を果たした意地を見せ、チーム一丸で早々に迎えた正念場を乗り越える。この日2打数無安打に終わった主砲の村上は「やるしかない。難しいですけど、みんな勝ちたい気持ちはある。やるだけです」と覚悟をにじませた。28日が交流戦前最後の試合となる。「できることを全力でやる。雑にならずに、こうやって点を取る、こうやって点を防ぐ、というところを忘れないでやっていきたい」と高津監督。連敗を止め、反攻に転じる。(箭内桃子)