上映後、観客に手を振る役所広司さん(中央)とビム・ベンダース監督(右)=25日、フランス・カンヌ(共同) フランス南部で開催中の第76回カンヌ国際映画祭で25日(日本時間26日未明)、最高賞「パルムドール」を競うコンペティション部門の出品作「パーフェクトデイズ」が公式上映され、ビム・ベンダース監督や主演の役所広司らが喝采を浴びた。
東京で暮らす寡黙なトイレ清掃員の日常を描いた約2時間の作品が終わると、観客は総立ちで拍手を送った。マイクを手渡されたベンダース監督は「心から広司(役所さん)に感謝したい」とあいさつ。役所は取材に「お客さんの温かい拍手を頂いて、楽しんでもらえたと安心した」とホッとした様子で話した。
映画には、渋谷にあるユニークなデザインの公共トイレや、浅草の地下街にある飲食店などが登場。観客からは「東京に行ってみたくなった」などの感想が聞かれた。
今年は名作「東京物語」などで知られる小津安二郎監督の没後60年。ベンダース監督は26日に開かれた記者会見で、自身が敬愛する巨匠に触れ「小津監督が撮影した東京が、この60年でどう変わったのかを考えながら作っていた」と振り返った。(共同)