長野県中野警察署に入る立てこもり事件を起こした青木政憲容疑者(中央)=26日午前、長野県中野市(撮影・松井英幸) 長野県中野市で男が猟銃を発砲するなどし、警察官らが死亡した事件で、県警は26日、男の身柄を確保、警察官1人に対する殺人容疑で逮捕した。男は青木正道市議会議長(57)の長男の農業、政憲容疑者(31)で、自宅に立てこもった。負傷して屋外に残されていたのは高齢女性と分かり、26日に死亡が確認された。死者は計4人になった。
捜査関係者によると、政憲容疑者は「撃ったことは間違いない」と容疑を認め、「被害者の女性に悪口を言われたと思って殺した。射殺されると思ったので警察官も殺した」などと供述。県警は女性との関係や動機を調べる。
県警の小山巌本部長は26日記者会見し、被害者への哀悼の意を示した上で、警察官の殉職は「痛恨の極み」と述べた。県警は中野署に捜査本部を設置した。青木議長は同日、議員辞職した。
亡くなったのは、ともに中野署地域課の玉井良樹警部補(46)、池内卓夫巡査部長(61)と、近くに住む村上幸枝さん(66)。新たに死亡が確認されたのは近所の竹内靖子さん(70)。女性2人は散歩仲間だった。
県警によると、政憲容疑者は25日午後4時25分ごろ、中野市江部で村上さんを刺した後、駆け付けた警察官に発砲したとされ、自宅に立てこもった。母親とおばは自宅から逃げ、保護された。県警は26日午前4時37分、説得に応じ投降した政憲容疑者を確保した。