大胆な投球を見せた阪神・桐敷拓馬=甲子園球場(撮影・渡辺大樹) (セ・リーグ、阪神2ー1巨人、6回戦、阪神4勝2敗、26日、甲子園)オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)はプロ初勝利を挙げた桐敷拓馬投手(23)について言及した。
桐敷は一回から大胆に攻めていこうと決めていた。腹の座った攻めの投球が巨人打線を圧倒していた。真っすぐでストライクを取ったことが球数の少なさにつながり、七回まで投げられた。150キロは出なくても、大胆に攻める気持ちがあれば抑えられることを証明した感じだ。ベンチの動きを見ると、逆転しなければ八回の続投もあったようだ。長いイニングを投げての初勝利。相当な自信になったはず。
心配になったのは三回で突然、球威が落ちた。2安打に盗塁が絡んで1点を失ってしまった。下位から始まるという気持ちの変化があったのかもしれない。ただタイムリーを放った坂本をノイジーが好返球で二塁で刺したプレーが大きかった。四回以降は再び球の力が戻った。梅野のリードも冴えていた。二回2死二塁からブリンソンを迎えた場面では変化球狙いを見抜いての真っすぐ連投で見逃し三振。五回無死一塁で再びブリンソンに対しても、変化球狙いを見透かしての真っすぐで空振り三振。桐敷を支えた。
湯浅は100%ではない感じ。全体的に球が高く、思ったところに投げられていなかった。いい球と悪い球が交互に来る感じ。久々だから、仕方ない部分もある。ベンチも楽な場面で投げさせたかったのだろうが、桐敷が予想以上の長いイニングを投げたこともあって、1点差の八回というシビアな登板になった。ただ結果として抑えたので、いいイメージで次の登板には向かうだろう。