■5月26日 性加害やパワハラのニュースは最近、芸能界にとどまらない。スポーツ界や政界でも露見して世間の注目を集める中、プロ野球の西武・山川穂高内野手(31)が、強制性交容疑で警視庁麻布署から書類送検された。昨年11月に東京都内のホテルで20代の知人女性に性的暴行をした疑いという。
本塁打を打った後の陽気な「どすこいパフォーマンス」や子ぼんのうなパパとしても有名な人気選手だけに、ファンのショックは大きい。その一方、3月のWBCで山川も選ばれ優勝した日本代表・侍ジャパンのドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」は6月2日から予定通り、3週間限定で全国の映画館で公開される。
ただ、複数の関係者によると、2カ所ほどあった山川の肉声部分は事件発覚を受けてカットしたそうだ。とはいえ、準決勝のメキシコ戦は山川の犠牲フライで1点差に迫ったからこそ逆転勝利に結びついた。そのため、あの映像は残し、山川の映った他の場面も顔にボカシを入れたりカットはしていないという。
山川の出演場面については、映像や音声を削る労力や経費を最小限に抑え、結果的に選手としての名誉を守った格好だ。ある関係者は「30人の代表選考や不振にあえぐ村上の苦悩などのベンチ裏話に加えて、大谷やヌートバーをはじめ選手たちの活躍映像が盛りだくさん。専属カメラだからこそできた完全密着版です」と強調した。
映画ならではの迫力と真実に満ちた正味2時間10分になったそうで、対照的に山川の愚行は罪深い。不起訴の可能性も含め事件の最終的な刑事罰の確定はこれからだが、周囲にかけた迷惑と苦労に対しても猛省を促したい。(森岡真一郎)