歌舞伎俳優、市川猿之助(47)が18日に一家心中を図った事件で警視庁の捜査が数カ月に及ぶ可能性があることが21日、分かった。
向精神薬を摂取して父の市川段四郎さん(76)、母の喜熨斗(きのし)延子さん(75)が死去したことに、生き残った猿之助がどれだけ関与したのか、全く関与していなかったのかを、慎重に立証しなければならないためだ。
猿之助が「死んで生まれ変わろうと家族で話し、両親が睡眠薬を飲んだ」と、家族会議で決めたとの趣旨を捜査員に語っていることから、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「何らかの罪に問われる可能性が高い」と解説する。
その場合、罪の重い順に❶殺人罪❷同意殺人罪❸自殺幇助(ほうじょ)罪(❷と❸の法定刑は同じ6月以上7年以下の懲役または禁錮)が考えられる。両親に死ぬ意思がなく無理やり飲ませた場合は殺人罪になるため、若狭さんは「死に同意した両親のメモや日記、遺書などが入手できるかがカギ」と語る。
両親が死に同意していたとしても、「猿之助さんが積極的に一家心中を主導したり、自殺方法を考えた場合は同意殺人罪と判断される」と解説。
「両親に頼まれて薬を調達したり、薬や水を飲ませた場合は自殺幇助罪。『そこで見届けてくれ』と言われ、隣にいただけでも精神的にフォローすることになるので、自殺幇助罪が適用される場合がある」とした。
今後、薬を誰がどのように入手したのかや、猿之助の供述がどこまで真実なのかを調べなければならず、「数カ月はかかる」と若狭さん。「殺人容疑の場合は逮捕、その他の容疑は在宅起訴になるでしょう」とした。
★悩みなどの相談窓口
厚労省は、生きることに悩んでいる人々に、電話などで相談してほしいと呼びかけている。HPで紹介している主な電話相談窓口は次の通り。SNSの窓口の紹介とQRコードも表示している。 ▽こころの健康相談統一ダイヤル (0570)064556(対応の曜日・時間は自治体により異なる) ▽日本いのちの電話 ナビダイヤル=(0570)783556(午前10時~午後10時)、フリーダイヤル=(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)