東京SGに競り勝ち、歓喜するデクラーク(右から4人目)ら横浜フィフティーン。チーム史上最高の3位となった(撮影・福島範和) リーグワン1部プレーオフ3位決定戦(横浜26-20東京SG、19日、秩父宮)リーグ戦4位の横浜(旧キヤノン)が同3位の東京SG(旧サントリー)との雨中の競り合いを26-20で制して、チーム史上最高の3位を決めた。2019年W杯日本大会で南アフリカを世界一に導いたSHファフ・デクラーク(31)が自らも1トライを決めるなど勝利に貢献。2連覇の偉業を狙う9月開幕のW杯フランス大会を前に、日本で存在感を見せつけた。
後半、パスを出す横浜のファフ・デクラーク =秩父宮ラグビー場(撮影・福島範和)最後にボールを蹴り出したデクラークは勝利を決めると、疲れ切ったように芝の上にひざまずいた。運動量が多いSHは通常、後半途中で交代するものだが、この日はフル出場。やり切った表情で横浜のチーム史上最高となる3位を喜んだ。
「いい1年だった。決勝には出られなかったが胸を張れる成績。チームとして大きなステップアップになった」
4年前に世界を沸かせた技とスピードを惜しみなく発揮した。東京SGに先制トライを許した後の前半15分だ。ラインアウト後の密集から持ち出すと、猛烈なスピードでサイドを突破。WTB松井のトライをおぜん立てし、逆転に導いた。7-15の後半6分には密集サイドを駆け抜けると、がら空きの相手背後に上げたショートキックを自ら捕球しトライを奪った。
「(トライは)チャンスが見えていたので迷いなく選択したのが、はまった。チームに勢いを与えることができた」
2012年のトップリーグ昇格後、チームは東京SGに8戦全敗。12年越しの初勝利に172センチ、88キロの男の貢献度は高く、沢木敬介監督(48)も「きょうは本当のファフ・デクラークでしたね」と笑った。
横浜とは複数年契約を結び、来季も日本のファンの前に雄姿を見せる。その前に果たすのがW杯2連覇の偉業だ。まずは7月開幕予定の南半球4カ国対抗に向け、22日には南アフリカに戻る。コーチングスタッフとも連絡を取り合っているそうで「しっかりチームをつくり上げて、また世界一になりたい」。大きなミッションを見据えた。(田中浩)
★古巣からの勝利
横浜の沢木監督は2018年度まで東京SGの前身のサントリーを率いてトップリーグ2連覇に導いたほか、CTB梶村主将と、この日2トライを挙げたWTB松井もかつてサントリーに所属。古巣からの勝利となった。梶村は「他のチームとは少し違うモチベーションがあった」と明かした。