ロッテ・種市篤暉が完全復活! 3年ぶりに9回を投げた(撮影・田村亮介) (パ・リーグ、ロッテ1―1オリックス=延長十二回規定により引き分け、6回戦、オリックス3勝2敗1分、16日、ゾゾマリン)〝完全復活〟を告げる熱投だ。右肘手術から今季本格的に復帰したロッテ・種市篤暉投手(24)がオリックス打線を相手に9回109球を投げ、3安打1失点の好投。延長十二回引き分けとなり、勝敗はつかなかったが、確かな手応えを得る9イニングとなった。
「術後初めて9回を投げられたので、そこは自信になった」
オリックスとの首位攻防3連戦の初戦。WBC日本代表の宮城との投げ合いにも、「ゾーンに強い球を投げることだけを考えた」と一歩も引くことはなかった。鋭く落ちるフォークボールを武器に失点は三回に紅林に浴びたソロのみ。9三振を奪い、奪三振数は52に伸び、チームメートの佐々木朗を抜いてリーグトップに立った。
2020年9月に右肘靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右腕にとって9イニングを投げ抜くのは、完封勝利を飾った20年7月25日の西武戦以来約3年ぶりだ。
吉井監督は「本来の種市が戻ってきた」と絶賛した。右肘の負担を考慮し、出場選手登録を一度外れる予定だが、今季3勝(2敗)の種市は「今の目標は完封」ときっぱり。回復期間を挟み、白星を積み上げる。(武田千怜)