セ・リーグ首位を走るDeNA。チームの好調の一因となっているのが、捕手陣の奮闘ぶりである。
開幕マスクをかぶった戸柱は、ここまでチーム捕手陣最多の15試合に出場し打率・270(昨季・264)、3本塁打(昨季2本塁打)。強肩が武器の山本も11試合で打率・318(昨季・103)といずれも打撃好調。近年は春先から負傷離脱を繰り返していたベテランの伊藤も、今季は開幕から故障なく11試合に出場し好リードを見せている。
DeNA捕手陣奮闘のカギとなっているのが3人の「併用起用」だ。今季は石田、今永、浜口らが先発の試合は戸柱がマスクをかぶり、バウアー、ガゼルマン、平良は伊藤、東、大貫は山本とバッテリーを組む。今季は先発陣が時に中10日で回るなど豊富なこともあり、1週間で3捕手がそれぞれ1、2試合に出場するサイクルができている。
長くベイスターズの捕手陣を支えてきている戸柱は、併用制のメリットについて「3人で試合の中でも話をして、前にかぶったときはどうだったかと共有もできている。それが本当にいい方向にいっていると思う。お互いの捕手のいいところもありますし、相手も絞りにくいんじゃないかなと。どうしても捕手の傾向は出ると思うので」と明かした。
昨季は好調だった嶺井(今季ソフトバンクにFA移籍)が5月29日から18試合連続スタメンマスクをかぶるなど、最多の93試合に出場。チーム成績も上向かせたが、9月は打率・103と疲労がたまってきた終盤に著しく数字を落とした。今季は3人が大きな偏りなく起用されることで、ここまで安定した成績を残しており、勝負どころとなるシーズン終盤に向けても明るい材料となっている。
今季の捕手併用について、三浦監督は「昔と違って一人の捕手が全試合フル出場というだけでなく、今のチームにとって一番いいのは併用。うちにとってはそれがベストだと思っている。もちろん状態が悪いときは捕手を組み替えることも考えていますし、組み替えてもいけるだけのレベルの捕手がそろっていますから。いろんなパターンを持てているのはいいこと」と語った。
「優勝チームに名捕手あり」は野村克也氏の名言の一つだが、変わりゆく時代の中で「優勝チームに〝名捕手陣〟あり」となるか。(浜浦日向)