一回、左越えに先制2ランを放つ杉本。チームを13年ぶりの開幕連勝に導いた(撮影・尾崎修二) (パ・リーグ、西武2-9オリックス、2回戦、オリックス2勝、1日、ベルーナD)一塁側のベンチ前から今季1発目の昇天ポーズが飛びだした。お決まりの右こぶしを高々と突き上げるパフォーマンスで所沢に集まったファンと喜びを分かち合う。オリックス・杉本が、先制の1号2ラン。1日遅れで春が到来した。
ヒーローインタビュー後、ファンのコールに応える杉本。〝声援あり〟は主砲となってから初だ「やっぱり早く1本打っときたかったんで。きのう打てなかったんで、打ててよかったです」
一回2死一塁。相手先発のエンスが投じたカウント1-1からの3球目、内角の146キロを強振。高い弾道でベルーナドームの天井をなぞると、西武ファンで埋まる左翼席に今季初安打の打球が吸い込まれた。
前夜は「4番・DH」で出場するも、4打数無安打だった。逆転の開幕星をつかんだチームの勢いに乗り遅れまいと、この日は一発に続いて九回の第4打席でも8点目となる左翼線へ適時二塁打。2安打3打点と大暴れした。
初めて本塁打王のタイトルをつかんだ2021年も、苦しんだ昨年も、愛称の「ラオウ」コールは響かなかった。今季は4年ぶりの声出しが解禁なって、ファンの声も力も源となっている。「うれしいので、これからもよろしくお願いします」とヒーローインタビューでファンに頭を下げた。
昨季は1号を放つまでに10試合を要し、3、4月を通しても打率・133、1本塁打、6打点と出遅れた。今季は2試合目で〝一歩目〟を踏みだし、ド派手なスタートダッシュといきたい。
「まだ始まったばかりなんで。こういう試合を多くできるようにしたいです」
これで開幕2連勝。球団では2010年以来、13年ぶりの開幕カードの勝ち越しを決めた。ラオウも目覚め、王者のエンジンは既に全開だ。(北池良輔)