6回を抑えたエンゼルス・大谷翔平=米カリフォルニア州オークランドのオークランド・コロシアム(撮影・水島啓輔) アスレチックス2-1エンゼルス(30日、オークランド)大谷はWBCの疲れを感じさせなかった。一回の先頭打者をストレートの四球で歩かせ、その後もボールが先行。立ち上がりの制球という課題は残ったが、結果は文句なしだった。
注目していたのは、新ルールの影響。①無走者だと15秒以内、走者がいると20秒以内に投球動作に入らなければボールが宣告されるピッチクロック②一-三塁ベースの拡大③けん制球の回数制限④極端な守備シフトの禁止-と投手がかわいそうになるものばかりだが、投手・大谷には不利を感じなかった。
今季は左腕につけた機材を通して、自分で球種のサインを送っている。一回こそ機材がうまく作動せずに捕手がサインを出す場面もあったが、投げたい球をポンポン投げ込むことで、リズムが良くなった。捕手のサインに首を振るストレスがたまらないことも大きい。
立ち上がりはスイーパーが多かったものの、相手が狙ってきているとみるや、真っすぐに切り替えた。その真っすぐはスピンがきいて、質が良くなっている。この日の最速は162キロ。球速はもっと増すだろう。
打撃は2打席目に初安打が出た。チームが勝って勝ち星が付けば最高だったが、大谷にとって上々の開幕戦になったと思う。(本紙専属評論家)