【ボクシング】公開スパーリングにのぞむ那須川天心=後楽園ホール(撮影・蔵賢斗) キックボクシング42戦全勝で、プロボクサーへ転向した那須川天心(24)=帝拳=が1日、東京・後楽園ホールで開催された帝拳ジム興行内で、公開スパーリングを行った。デビュー戦のスーパーバンタム級6回戦(8日、東京・有明アリーナ)で、日本バンタム級2位の与那覇勇気(32)=真正=と対戦する。
〝プロボクサーの那須川天心〟が初めてファンにお披露目された。日本スーパーバンタム級11位の福井勝也(26)=帝拳=と14オンスグローブでヘッドギアを着け、2ラウンドのスパーリング。実力の高さを示し、リング上でファンにあいさつした。
「ボクシングファンの皆さん、はじめまして。那須川天心です。ボクシングの動きになってきたと思うけど、見てどうでした?」
ほぼ満員の会場の観客は大きな拍手で答えた。笑顔でリングインし、リングアナウンサーに名前をコールされると、福井に向かってかめはめ波ポース。1回はワンツーやパンチを避ける技術の高さを見せ、左ストレートを強打した。2回にはノーガードでのディフェンスや、踊るようなステップを披露。アマチュア時代は2014年度全国高校総体ライトフライ級優勝など75戦59勝16敗の成績を残し、プロ4戦4勝(3KO)の実力者をスピードで上回った。
2月25日から約2週間は米ネバダ州ラスベガスでスパーリング合宿を敢行。前WBO世界スーパーバンタム級王者のアンジェロ・レオ(28)=米国=らと計35ラウンドのスパーリングをこなした。帰国後も6ラウンドのスパーリングを重ね、これが試合前最後のスパーリング。「当たれば倒せるパンチを手に入れたし、6ラウンドやっても疲れない」と仕上がりに自信を見せた。
減量は残り約4キロ。現在は追い込みで疲労がたまっている状態で、試合までは疲れを抜いて、減量などの最終調整を行う。「プロボクシングでも最強を目指して、まずは4月8日に勝つので、期待しておいてください」。ボクサー仕様に変貌した〝神童〟がデビュー戦で好スタートを切る。
プロ戦績は那須川がキック42戦42勝(28KO)、MMA4戦4勝(3KO)、MIXルール1戦1勝(1KO)、与那覇が17戦12勝(8KO)4敗1分け。