アスレチックス戦に「3番・投手兼指名打者」で先発し、投球するエンゼルス・大谷=オークランド(共同)
ギャラリーページで見るアスレチックス2-1エンゼルス(30日、オークランド)米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)は「3番・投手兼DH」で先発出場して2年連続の開幕投手を務め、6回を投げ2安打無失点、10三振を奪う快投を見せたが、1-0の八回に救援陣が逆転を許したため、勝敗はつかなかった。球数は93。打者では第2打席で今季初安打となる右前打を放つなど3打数1安打、2三振1四球だった。エンゼルスは逆転負けで黒星発進となった。
2年連続の大役を務めた大谷。開幕戦勝利をつかむことはできなかったが、六回まで毎回の10三振を奪い、「真っすぐ自体の調子は良かった」として、球速も160キロ超えをマークするなどエースとして申し分ない働きを見せ、ワールドシリーズ制覇を目指すメジャー6年目のシーズンへスタートを切った。
気温11度と肌寒い中で登板した開幕戦の立ち上がり。1番ケンプにはストライクが入らず、ストレートの四球で歩かせた。ただ、「立ち上がりに四球を出したが、いいリズムで立て直せた」として、続く2番カペルには真ん中付近のスライダーをはじき返されるも一ゴロ。3番ディアスは外角速球で見逃し三振、4番ブラウンを内角スライダーで平凡な右飛に打ち取り、無失点で抑えた。
二回は先頭の5番アギラに真ん中低めのスライダーを打たせて左飛。6番ラウレアーノは外角スライダーで、7番ピーターソンには外角低めに落ちるスプリットで、2者連続の空振り三振に仕留めた。
三回は先頭の8番ランゲリアーズを外角スライダーで左飛、9番ルイーズには外角低めのスプリットを振らせて3球三振、ケンプは初球の真ん中高めのスライダーで三邪飛に打ち取り、この回はわずか6球で片付けた。
アスレチックス戦の4回、折れたバットをジャンプしてよけるエンゼルス・大谷=オークランド(共同)四回は先頭のカペルを99・2マイル(約160キロ)速球で見逃し三振。ディアスに外角スライダーを中前に運ばれて初安打を許すと、ブラウンには高めに浮いたスプリットを捉えられて左中間二塁打を浴び、1死二、三塁のピンチを招いた。大谷はここからギアを上げ「指にかかっていいボールが多くいってたので、一番、可能性の高いボールを自分で選択して投げた」として、アギラを真ん中低めのスプリットで空振り三振、ラウレアーノはこの日最速の100・7マイル(約162キロ)の外角速球で空振り三振に仕留めて、無失点で切り抜けた。大谷はガッツポーズをしながら雄たけびを上げ、ベンチに戻った。
1点の援護を受けた五回は先頭のピーターソンに内角速球を捉えられるも、右翼手レンフローが背走し、後ろ向きのまま差し出したグラブに打球が入りアウト。トリッキーなプレーに大谷は両手を上げて驚いた表情を見せた。続くランゲリアーズを四球で歩かせたものの、ケンプを内角低めに落ちるスプリットで空振り三振に仕留めるなど、無失点に抑えた。
六回は先頭カペルから外角低めのスプリットで空振り三振を奪った後、四球で走者を出したが、ブラウンを真ん中高めのスライダーで三飛。アギラは外角スライダーで空振り三振に仕留め、この試合10個目の三振を奪った。球数が100球に迫ったため、大谷はこの回限りで降板した。この後、八回に逆転されて白星を逃したが、大谷は「点を最後取られたが、最小失点ではいったと思うので、そうなる前の追加点と、そうなった(逆転された)後の、もう1回タイに持っていく集中力がチーム全体として出てくれば、もっともっといいゲームになったと思う」と振り返った。