東京発刊60周年のサンケイスポーツと4月12日に創立60周年を迎える円谷プロダクションが実施した「ウルトラマンFUN投票」。カウントダウン形式で紹介する第9位は、平成3部作のトリを飾った「ウルトラマンガイア」(1998~99年)だ。大河ドラマ性を強化した重厚な物語と緻密な設定で、老若男女が楽しめるエンターテインメントを提供。ライバルとなるウルトラマンが初登場するなど唯一無二の世界観は25周年を迎えた今も色あせていない。
「ガイアァァ~!!」 主人公が叫びながら変身し、大地に降り立った際に跳ね上がる土煙―。過去にはない迫力満点の着地シーンで大人もとりこにしたヒーローが、地球生まれのウルトラマンガイアだ。
1980年の「ウルトラマン80」から16年ぶりに復活し、1996(平成8)年に始まった「ウルトラマンティガ」、97(平成9)年の「ウルトラマンダイナ」に続く平成3部作の最終作。地球をテーマにした作品で、俳優、吉岡毅志(43、当時19歳)演じる大地の赤き光を手に入れた若き天才科学者・高山我夢(がむ)がガイアとなり、地球に破滅をもたらす根源的破滅招来体に立ち向かう。
集大成の作品として完成度を高めるため、前2作から世界観を一新。舞台を放送当時と同じ20世紀末に設定し、環境問題や地球を破滅に追いやるかもしれない現代の人類を扱うなど、リアリティーのある上質なSFに仕上げた。重視したのは大河ドラマ性で、これまでの1話完結ではなく連ドラ形式で縦軸のある展開に。シリーズを通しての謎や敵も設け、物語に奥行きを与えた。