徹さんの舞台をイメージした祭壇前で、故人の出演CMの決めポーズを披露する郁恵(右)と裕太。〝ラストステージ〟を多くの仲間たちと盛り上げた=東京・港区
ギャラリーページで見る昨年11月に死去した俳優、渡辺徹さん(享年61)のお別れの会が28日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた。誰からも愛された故人の人柄を表すように関係者約1200人が参列し、喪主を務めた妻で女優、榊原郁恵(63)は「私の知らない渡辺徹さんのエピソードをいっぱい聞きたい」と気丈にあいさつ。会場ではお別れ懇談会も開かれ、全員で故人のヒット曲「約束」を合唱するなどにぎやかに見送った。
笑いあり、涙ありの〝サヨナラ〟となった。
発起人の一人、内藤剛志(67)の掛け声で始まった式典。故人の出演作をまとめた約20分の映像が流れ、文学座の先輩だった俳優、中村雅俊(72)が「俺たちは絶対忘れないからな!」と誓うと、タレント200人を含む会場の1200人も「オー!」と、拳を突き上げた。
喪主のあいさつに立った郁恵は「どんどんとこみ上げてくるものがあります。自問自答するたびに後悔しか出てこなくて…」と、死去から4カ月たった心境を吐露。夢にも出てこないことに喪失感をにじませつつも「この会をするにあたり、皆さんが『徹のためなら』と関わってくださって、なんてこの人は愛されていたんだろうか。いや、この人はこうやって皆さんと向き合ってきたんだと思いました」とかみしめ、参列者に感謝した。
自宅にはまだ遺骨があり、同じく喪主の長男で俳優、渡辺裕太(34)は「笑っている渡辺徹さんの遺影の前で手を合わせるというのが慣れなくて寂しくて、笑っちゃったりもしているような状態」と吐露。それでも最後は悲しみをこらえ、明るく送り出した。
献花の際には懇談会も開催。ステージでは、徹さんプロデュースのお笑いライブ「徹座」の看板芸人で発起人でもある中川家、サンドウィッチマンによる思い出トークなどが行われ、9月2日に「徹座7」が開催されることも発表された。
常に周囲を明るくし、笑顔を届けてきた徹さんらしく、懇談会も参列者が故人との思い出を語り合うなど終始和やかムード。最後は参列者で故人のヒット曲「約束」をうちわを振りながら合唱し、締めくくった。