10回にサヨナラ打を放つ報徳学園・西村大和(甘利慈撮影) 第95回選抜高校野球大会第9日第3試合(3回戦、東邦4-5×報徳学園=延長十回タイブレーク、28日、甲子園)報徳学園(兵庫)は東邦(愛知)を延長10回タイブレークの末に5ー4で下し、2017年以来6年ぶりの準々決勝進出を果たした。
報徳学園は二回、岩本(3年)の右前打で先制すると、三回には辻田(3年)の中堅への犠飛で1点を追加。1点を返された四回には、林(3年)が左越えソロを放つと、2死から主将の堀(3年)にタイムリーが出て4ー1とリードを広げた。しかし七回、好投を続けていた先発・今朝丸(2年)が集中打を浴びて3点を返され、4-4の同点とされた。
その後は両チーム譲ることなく九回までの攻防を終え、仙台育英(宮城)-慶応(神奈川)以来今大会2度目となる延長タイブレークに突入。10回表は1死二、三塁とされたが、九回からマウンドに上がっていたエースの盛田(3年)が大島を二飛、真鍋を見逃し三振に仕留めて切り抜けた。
勝負を決めたのは10回裏。1死二、三塁として辻田が申告敬遠で歩いて満塁。この日、二回の第1打席で左前打を放っていた西村(2年)が打席に入り、1ボールから内角直球をとらえて右翼の前に落ちるサヨナラ打。西村は「練習試合とかでもタイブレークの練習をしていた。そのおかげで自分の中では冷静に打てました。サヨナラ打は子供のころから初めてです」と声をはずませ、勝利の余韻に浸った。打線は計15安打を重ね、大角監督は「予想外の展開で進んだが、どんな場面でも選手たちがしっかり対応してくれた」と目を細めた。
報徳学園は準々決勝では、龍谷大平安(京都)と仙台育英(宮城)の勝者と対戦する。