【No Ball、No Life】日本時間22日の午前。全国の野球ファンが歓喜に沸いた。「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の決勝戦で日本が米国に勝利。3大会ぶりに世界一をつかみ取った。競技は違えど、その白熱した戦いに、J1・C大阪の小菊昭雄監督(47)も同じチームを指揮するものとして熱視線を送っていた。
当然、リアルタイムですべての試合を観ていたわけではないが「スポーツの力は大きい。ワールドカップで日本中が盛り上がったように、(WBCで)日本中がまた1つになった。私自身、すごく勉強になる。一体感やひとりひとりが仲間のために戦うとか、そういうところが素晴らしい」と明かした。
数々の名場面が生まれた今大会だが、やはり指揮官として気になるのはベンチワーク。「一人一人のパフォーマンスも見ているけど、ついついベンチを見てしまう。点を取ったときの喜び方、選手一人一人が引き上げてきたときのねぎらう雰囲気とか。そういうところにチームの雰囲気が出る。苦しいとき、ベンチはどういう雰囲気なのか、とか。学ばせてもらっています」という。
C大阪は現在、リーグ戦第5節を終え、1勝2敗2分け。なかなか勝ち切れない試合が続いているが、決して下を向くことはない。それは劣勢の展開でも逆転を信じ、戦ってきた侍ジャパンに通ずるものがある。
「雰囲気の良さは大事だなと私も思う。苦しいときに(栗山)監督がどういう雰囲気を醸し出しているのか、とか。どしっと構えている栗山監督はすごいと思う。勉強になります」
自らが起用した選手を信頼し、世界一まで導いた栗山監督。昨年のW杯からWBC、そして、Jリーグとプロ野球。日本中を一つにした侍魂をお手本にし、C大阪もリーグの頂点を目指していく。(西垣戸理大)