引退について記者会見する村田諒太=28日午後、東京都文京区 日本人で初めてボクシングの五輪、プロの両方で頂点に立った村田諒太(37)=帝拳=が28日、東京都内で記者会見に臨み、現役引退を表明した。会見にはスーツ姿で出席し「ボクシング人生を総括するなら悔いはない。決断には時間がかかったが、これ以上ボクシングに求めるもの、ボクシング界にできることが見つからなかった」と万感の思いを込めた。
今年2月、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に敗れた昨年4月のミドル級世界2団体王座統一戦について「僕の中では最後と思っている」と話し、これが事実上の引退表明とされていた。「(引退発表までは)まだボクシングをしたいと思うこともあったし、悩むこともあった」と明かした。
今後は知識や経験をボクシング界に還元したいという。「ボクサーとしては引退だが、引退という名のスタート。競技だけが人生ではないと示すことで、アスリートのいいロールモデル(理想像)になれたら」と第二の人生を見据えた。