8回に決勝打を放つ専大松戸・太田遥斗(撮影・渡辺大樹) 第95回選抜高校野球大会第8日第2試合(3回戦、高知4―6専大松戸、27日、甲子園)専大松戸(千葉)は高知に6-4で競り勝ち春夏通じて初の8強入り。太田遥斗(はると)外野手(3年)が、4-4の八回に勝ち越しの中前適時打を放った。
小さく振った打球が前進守備の二遊間を突破。殊勲の一打を放った専大松戸の太田は、一塁ベース上で控えめにガッツポーズした。
「1点でも多く点をとって、平野を楽にさせてあげたかったです」
4-4に追いつかれた直後の八回1死一、三塁で勝ち越し中前適時打を放ち、右腕エース平野の7安打完投を援護射撃した。甲子園4度出場(春夏各2)の専大松戸に春夏通じて初の大会2勝、初の8強をもたらした。
専大松戸・平野大地に声をかける持丸修一監督(撮影・渡辺大樹)小学6年時、2017年夏の千葉大会3回戦の専大松戸対佐原戦(柏)で始球式に捕手で参加した。直後に7-0で勝った専大松戸の試合を見て「これがザ・野球だと。〝専松〟でプレーしたくなりました」と早々に進路を決断。打ちまくる野球が好きだったが、バントや盗塁など小技をきっちりこなす大人の野球に衝撃を受け、4年後の21年春に入部した。
持丸監督は竜ケ崎一、藤代、常総学院(3校とも茨城)と専大松戸で指揮を執り、4校をすべて甲子園に導いたが、大会2勝と8強進出は初めて。74歳のベテラン指導者は「知らない世界だった」と準々決勝の広陵(広島)戦に挑む。
初戦の常葉大菊川(静岡)戦で先制の中前適時打を放った太田は、父・貴繁さんにラインで「すごかったな」と激励され「イェーイ」と明るく返信。次も聖地に快音を響かせる。(山口泰弘)