サッカー日本代表は24日のキリンチャレンジ杯でウルグアイと1-1で引き分けた。16強入りしたW杯カタール大会後初の対外試合。日本代表で歴代トップの国際Aマッチ通算75得点をマークし、日本協会の副会長などを歴任した本紙評論家の釜本邦茂氏(78)は、攻撃に課題が見えたと指摘した。
第2次森保ジャパンの初陣だったが、変わりばえしない、というのが第一印象だ。積極的に仕掛ける姿勢を見せたのは三笘だけ。ほかはパスでつなぐばかりで、あげくにはバックパス。これでは面白くない。
クロスの精度と、それを決めるシュートの技術も物足りなかった。クロスをシュートするときは、前傾姿勢で膝から下だけを使うように打つのがコツだ。そうしないとボールは必ず上にあがってしまう。
足の角度によってボールがどちらに飛んでいくかは、体に覚えさせるしかない。それはクロスやラストパスにも言えることだから、所属クラブでしっかり基礎練習を積んでほしい。2026年W杯に向けて、受け身にならず主導権を握って攻めることをテーマに掲げているようだが、プレーの精度を上げないことには難しいだろう。
森保監督が進める世代交代の流れは、このまま継続してほしい。最終ラインは菅原、瀬古と新顔が並んだ。不用意なファウルは気になったが、サイドバックは長友(FC東京)や酒井(浦和)ら今回選ばれなかったベテランと比べても、そこまで遜色なかった。ほかにも埋もれた代表クラスはいるはずだから、発掘に力を入れてほしい。(1968年メキシコ五輪銅メダリストで得点王)