オープン戦初出場となった山川は六回に左越え本塁打を放った(撮影・尾崎修二) (オープン戦、西武5-0DeNA、25日、ベルーナD)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表として世界一に輝いた西武・山川穂高内野手(31)が25日、DeNAとのオープン戦(ベルーナ)に「4番・DH」で先発出場し、六回にソロ本塁打をマーク。23日に帰国したばかりだが、すぐに実戦出場。凱旋アーチを放ち、久々の「どすこいポーズ」でファンを沸かせた。
6回、西武・山川穂高が左ソロ本塁打を放ち「どすこい!」 =ベルーナドーム(撮影・尾崎修二)本拠地ベルーナドームに、山川が叫ぶ「どすこーい!」の声が響いた。志願して臨んだWBC後初の実戦。西武ファンが待つ左翼スタンドへ、世界一の報告を込めた一発をたたき込んだ。
「いいホームランでした。(WBCでは)代打の準備が多かったので、まずこのチームの流れに乗りたかった」
六回。右腕ガゼルマンの甘く入った146キロのカットボールを力強く引っ張った。「4番・DH」で先発出場し、2三振を喫するなど3打席で凡退しても「特別速く見えることもなかった」と納得の表情。ペッパーミル・パフォーマンスを流行させたヌートバー(カージナルス)に「アメリカに帰ってやるかもしれない」と言わしめた「どすこいポーズ」を、力強く披露した。
日本中を感動の渦に包んだ激闘を終え、23日に帰国。24日は休養に充てる予定だったが、時差ボケもあって午前6時に起床。練習に参加し、フリー打撃で15本の柵越えを放った。早期の再始動には理由があった。
同じ日本代表の大谷翔平(エンゼルス)が放つ規格外の打球を目の当たりにし「マジで野球、辞めたいッス」と脱帽させられた。それでも、山川も本塁打王3度の実績がある。「一回、リセットしたかった。自分は自分のペースで」と、開幕に向けた調整にシフトチェンジした。
メキシコとのWBC準決勝では代打で1点差に迫る犠飛。だが先発出場は1試合に終わった。出場3試合で5打数1安打2打点、本塁打ゼロ。「悔しい。もうちょっと出たかったけど、みんなが打っている中で、その立ち位置はしようがなかった」と受け入れた。
新たな気持ちで臨むシーズンへ向け「ホームラン王は絶対に取る。それによってチームが絶対、優勝に近づくはず」と2019年以来のリーグ優勝を見据えた。(石井孝尚)