二回、森下翔太が中前打を放つ=京セラドーム大阪(撮影・榎本雅弘) (オープン戦、オリックス5-2阪神、24日、京セラ)阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=がマルチ安打をマーク。うなりをあげるフルスイングで、森下が京セラドームに2度快音を響かせた。1本目の安打は二遊間を抜け、2本目は左中間へ飛ばして悠々と二塁へ。5試合連続安打で好調ぶりを見せつけた。
「(1打席目は)一番いいボールはまっすぐだったので、そこに振り負けないようにというのは頭に入れて、打席に立てました」
まずは二回2死で迎えた第1打席。対するはオリックスの開幕投手筆頭候補の山下。4日の対戦(甲子園)では初球の156キロ直球をたたいて二ゴロに倒れていた。この日は変化球をことごとく見逃し、フルカウントからの6球目。狙いを定め、3週間前は打ち取られた155キロの直球を強振。中前打でこの日チーム最初のHランプをともした。
七回1死の第3打席では、サイドスローの比嘉が投じた128キロのスライダーに「張っていた」と反応。打球を左中間へ運んだ。オープン戦6度目のマルチ安打で打率は・364。速球派と変則の両右腕に対応し、当然のように結果を残し続ける背番号1に、岡田監督も「ああやって対応してるのは森下だけやって、ずっと言ってるやんか」と賛辞を惜しまなかった。
中堅の近本、左翼のノイジーとともに外野手のレギュラー筆頭の座をつかんだ。ただ、守備では大きくバウンドした打球の前に目測を誤り、三塁打を許す場面も。「打球の質やドライブも頭に入れながら。より守らないといけない」。試合前は筒井コーチと言葉を交わしながら約10分守備を確認し、試合中には近本とコミュニケーションを重ねた。開幕3連戦の舞台で、守りの面でもさらなる向上心を口にした。
「たくさん失敗して、いっぱいボールを受けてってやっていかないと、自分はまだまだへたくそなので。きょうはオープン戦でよかった」
残り2試合のオープン戦も無駄にはしない。黄金ルーキー、森下が着々と開幕へ歩みを進める。(邨田直人)