パドレスに合流し、取材に応じるダルビッシュ=ピオリア(共同) 【ピオリア(米アリゾナ州)23日(日本時間24日)=山田結軌】米大リーグ、パドレスのダルビッシュ有投手(36)がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での戦いを終え、キャンプ地に戻った。米国との決勝では救援登板したが、直前に球団から許可が下り、決勝当日に志願したことを明かした。この日はキャッチボールなどで調整し、開幕までにオープン戦で1試合に登板する見込みだ。
クラブハウスに到着すると次々に握手とハグを求められた。2月から日本代表合宿に参加していたダルビッシュは、WBC王者として所属チームに戻った。これからはパドレスの一員として、ワールドシリーズ制覇を目指すメジャー12年目の開幕へ準備を進める。
「自分のペースでいろんなことができる環境に戻ってきた。きのうも家でゆっくりできたし、きょうはすごく元気です」
フロリダ州マイアミから、大谷と同乗したプライベートジェットでアリゾナ州入りした。メルビン監督は、27日(同28日)まで予定されている同地でのオープン戦で1試合の調整登板で右腕のコンディションを確かめる方針だ。
侍ジャパンで全力を尽くした〝副作用〟はある。準々決勝でのイタリア戦、決勝の米国戦ではリリーフ登板。メジャーの開幕から逆算した調整ができなかった。昨季チームトップの16勝を挙げた右腕は投手陣の軸でありエース。大切な存在だが、日本代表での活動にパドレスは、最後まで敬意を持って尊重してくれたという。
当初、決勝での登板予定はなかった。しかし、決勝当日の昼ごろ、救援登板をする意思をチームに伝えた。「パドレスから『ここはパドレスのことは考えなくても大丈夫だから』と最後の最後にいってもらった。それで僕は(決勝の登板に)いけますということは、言いました」。チームスタッフらもマイアミ入りし、ダルビッシュの状態をチェック。「そこでその人たちから、もう気にしなくていいよ、と言われた」と球団の理解があったことを明かした。
「コンディションとしては帰ってきてもう一回、自分のルーティンに戻れば体の疲れ、精神的な部分はだいぶ変わってくる」
さっそく屋外で体を動かし、キャッチボールなどで調整。待ち受けたファンに即席のサイン会も開催した。WBCでの世界一の次は、球団初のワールドシリーズ制覇に貢献する。