大相撲春場所が大阪で開催中だ。サンケイスポーツ大阪編集局は会場のエディオンアリーナ大阪に近い。最寄り駅の大阪難波駅付近にも力士の姿が見られ、びんづけ油の匂いが漂っている。
その春場所で綱とりに挑んでいた大関貴景勝が7日目から休場してしまった。理由は「左膝内側半月板損傷」のため。3日目の正代戦で左膝を痛め、6日目までで3勝3敗と精彩を欠いていた。
これで次の夏場所(5月14日初日)は一転してかど番になる。休場の理由が膝のけがだけに、夏場所に出場できるのか、出場できたとしても力を発揮できるのか、気になるところだ。
現在は照ノ富士と貴景勝の1横綱1大関という超レアな番付。こんなことを考えてしまうのは不謹慎かもしれないが、膝を痛めた貴景勝が夏場所で負け越しや休場してしまった場合、次の名古屋場所(7月9日初日)では関脇に陥落してしまう。そうなると照ノ富士の一人横綱で大関不在、すなわち1横綱0大関という大相撲史上初めての事態になってしまうのだ。
今の1横綱1大関は、明治30(1897)年夏場所と翌31(1898)年春場所以来、125年ぶりの少なさ。ただ、当時の横綱は強豪大関の称号のようなもので、横綱が大関より上の地位として明文化されたのが明治42(1909)年2月のことだ。それから114年余。大関以上の最少人数は、横綱不在で大関が曙と小錦だけだった平成5年初場所と、今年初場所以降の「2人」である。これが「1人」になってしまうかもしれない危機が迫っている。