SPでほぼノーミスの演技を披露した宇野。負傷した右足首の不安を一掃してみせた(撮影・桐原正道)=さいたまスーパーアリーナ(桐原正道撮影) フィギュアスケート・世界選手権第2日(23日、さいたまスーパーアリーナ)男子SPは2連覇を目指す宇野昌磨(25)=トヨタ自動車=が今季世界最高の104・63で首位発進。新星、イリア・マリニン(18)=米国=は100・38点で2位につけた。
珍しく感情をむき出しにした。22日の公式練習で右足首を負傷した宇野が、SPでほぼノーミスの演技を披露。滑り終えると、頬を紅潮させ、右拳を2度振り下ろした。
「冷静に行ったら駄目だと思ったので『さぁ、頑張るぞ』といつもより強気で臨んだ。久々に感情を試合にぶつけた分、うれしさがこみ上げた」
痛めた右足のつま先で踏み切る高難度の4回転フリップを決めるなど、3本全てのジャンプに成功。周囲の心配を吹き飛ばし、今季世界最高の104・63点をマークした。
負傷直後は歩くのもやっとで「やばいと思った」というが、トレーナーから計3度の治療を受け、患部に腫れはほとんど出なかったという。この日は歩いて会場入り。演技中も「支障は全くなかった」と説明した。
超大技のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を跳ぶ2位のマリニン(米国)に4・25点の差をつけ、25日のフリーに臨む。「冷静に調整していく」と宇野。日本勢初の連覇へ、王者の底力を示す。