阪神・青柳晃洋投手(29)が23日、甲子園室内で投手指名練習に参加。14年ぶりに世界一に輝いたWBC日本代表をたたえながらも「悔しいし、少し嫉妬した」と素直な思いを吐露した。24日のオリックス戦(京セラ)が開幕前最後の登板。侍ジャパンから得た刺激を力に初の開幕投手に向けて準備を整える。
栄光の舞台に立てなかった悔しさを〝アレ〟への力に変える。世界一の勲章を手にした侍ジャパンに、青柳がプロ野球選手として偽らざる本音を語った。
「僕自身出たくて出られなかったので。あそこにいられなかった悔しさとか、うらやましくは思います。ちょっと嫉妬したりとか、そういう部分の方が強いかな。昨日(22日)の試合を見て」
日本中に歓喜の渦を巻き起こしたWBCは一人のファンとして見届けた。同僚の中野や湯浅が躍動する姿に「かっこいいな」と胸打たれ、そして、世界一を奪還した日本代表を「日本の野球が世界に通用するということは誇らしく思います」と賛辞した。
ただ、2021年の東京五輪では日の丸を背負って金メダルに貢献し、今回の代表にも予備メンバーとして名を連ねていた男だ。出場の可能性が十分にあっただけに、悔しさが募ることも、また必然だった。
その嫉妬や悔しさを、自身初の大役への原動力にする。青柳は31日のDeNA戦(京セラ)で開幕投手を務めることが確定。昨年も開幕投手に明言されていながら、直前に新型コロナウイルスに感染し、無念の離脱となった。「今回は前日まで気を抜かず登板できるようにしたい」。17日のヤクルト戦(神宮)は5安打を浴びながら、要所を締め、5回無失点。順調にステップを踏み、24日のオリックス戦(京セラ)が開幕前の最終登板となる。
「前回は球数が多かったとか、とらないといけないところで(アウトを)とれなかったとか、反省はある。その辺を意識しながら何を試すとかではなく、普通に投げ切るだけ」
〝セ界一〟に向け、虎のエースが追い込みに入る。(原田遼太郎)