志村喬さんの名場面を演じるビル・ナイ。渋い! タコ船長の面影はございません©Number 9 Films Living Limited 2005年、米「タイム」誌が「史上最高の映画100本」に選出した黒澤明監督の傑作「生きる」を英国でリメーク。志村喬さんがブランコに揺られながら「ゴンドラの唄」を口ずさむ名場面はどうなってる?
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十三代目市川團十郎白猿の襲名巡業スタートで石川県小松市を訪れ、初日取材ができなかった京都・南座「三月花形歌舞伎」(26日千秋楽)を先週、観劇。「仮名手本忠臣蔵」五段目、六段目の早野勘平を、Aプロの上方式で中村壱太郎、Bプロの江戸式は尾上右近が演じてます。
Aプロのみの予定でしたが、他社に「全然違うよ」と教えられてBプロも。驚きました。終盤のお芝居で勘平の印象が違ってくる。上方式は哀しく、江戸式はせつないとでも申しましょうか。
さて、そこで本作。オリジナルの日本公開は1952年ですが、英国版の舞台は第二次大戦後、53年のロンドンです。
当時の記録映像らしき街並みのオープニングはフィルムとクレジットのクラシカルな雰囲気が、昔の映画を見てる感じにさせてくれる。
妻に先立たれ、息子夫婦と同居する役所の市民課課長、ウィリアムズ。毎日、同じ列車で通勤してますが、一つ前の駅から乗ってくる部下たちとは違う車両に乗車する。課内でジョークや笑いは厳禁。淡々黙々と書類に判子を押し続けてた。