優勝し雄叫びをあげ帽子を投げる大谷翔平(撮影・水島啓輔) WBCで3大会ぶりの世界一に輝いた侍ジャパン。チームをけん引した大谷翔平投手(28)=エンゼルス=が周囲に与えた影響を、チームメートの証言から検証した。
大谷が侍ジャパンに与えた影響は計り知れない。投打にメジャーのトップオブトップ。巨人で5年連続30本塁打を放った岡本和が「間近で練習を見られて僕自身はプラス」と話せば、投手の伊藤も「(投球に)強弱がある。まねをしていきたい」と目を輝かせた。
プレーだけではない。細部まで考え抜かれた大谷の取り組みは全員の手本だった。日米通算188勝のダルビッシュも大谷を〝観察〟。トレーニングや睡眠、サプリメントの摂取に食事。気になることは質問し、ノートにメモした。ダルビッシュは「投打ですごくインパクトがある。クラブハウスでもチームの中心。選手とコミュニケーションを取っている」と明かした。
大谷は先輩、後輩に関係なくフレンドリーに接する姿が目立った。全30選手が大阪市内の焼き肉店に集結した5日の決起集会で開宴の音頭を取り、米マイアミでは「由伸が連れて行ってほしい感じだったので、しようがなく」と言いながら山本、村上、宮城、ヌートバーと食事し、交流を深めた。7歳下の宮城は「『タメ口でこい』と言われた」と明かす。その後に思い切って「おはよう、翔平」とあいさつをすると、大谷に「いいね!」とサムアップポーズをもらった。
「年齢に関係なく他のポジションから学ぶこともある」と大谷。優勝だけでなく、日本野球の未来にかけがえのない財産を残した。(WBC取材班)