2回、本塁打を放つ村上宗隆=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・長尾みなみ) 【マイアミ(米フロリダ州)21日(日本時間22日)】ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の村上宗隆内野手(23)=ヤクルト=が、米国との決勝でWBC初本塁打となる特大弾を放った。0―1の二回先頭で右翼席へ運び、反撃の口火を切った。サンケイスポーツに独占手記を寄せ、1次リーグ4試合で打率・143(14打数2安打)と不振に陥る中、自身が目指してきた大谷翔平投手(28)の存在が復活への道標になったと明かした。
最高です。スターぞろいの米国にチームとして立ち向かっていくことができた。この舞台で輝くことは自分が最初に描いた夢でした。
9歳だったあの日を今でもはっきりと思い起こします。2009年の第2回大会の決勝(韓国戦)。ワンセグ機能で見た携帯電話の画面にイチローさんが映っていました。投手をにらむ視線、厳しい球にファウルで食らいつく姿、センターへ抜ける打球。日本を代表するような選手になりたいと思い、行動するきっかけでした。
「ぼくの夢はプロ野球選手になって、お父さん、お母さんが試合を見にきてくれたときにホームランを打って、そのホームランボールをお父さんお母さんにあげて成長した姿を見せることだ。そしてWBCに選ばれて世界でかつやくしたい。絶対に親孝行してみせる」
小学校の卒業文集にそう記しました。東京五輪で日の丸を背負い、さらに夢は膨らんでいきました。世界で通用する打者になりたい―。神宮のクラブハウスで見るメジャーリーグ中継で目に留まるのはいつも大谷選手。モチベーションを高めてくれる存在です。