自動車の生産拠点が集中するタイで、東南アジア最大級の展覧会「バンコク国際モーターショー」が22日、開幕した。中国・韓国勢が電気自動車(EV)の先進性を訴求し、日本車が優勢な市場に分け入ることを狙う。日本勢もEVやハイブリッド車(HV)など環境にやさしい製品への注力を約束した。
タイの自動車市場シェア首位のトヨタ自動車は現地で投入予定のピックアップトラックのEV試作車を一般公開した。ピックアップトラックは地方や農村部での人気車種だ。また首都バンコクのタクシー業界で導入を狙うHV「ジャパンタクシー」も展示し、訪問客の関心を引いていた。
現地法人の山下典昭社長は「(温室効果ガスの)タイの実質排出量ゼロに貢献するため、あらゆる解決策を用意したい」と話した。
マツダは東南アジア市場向けに環境性能に優れた車両を2025~27年にも投入すると発表した。将来的に現地でEVの販売も拡充するという。三菱自動車はピックアップトラックの試作車をお披露目。現地を訪れ、前日に記者会見した加藤隆雄社長は今後5年以内に「環境にやさしいEVを投入したい」と目標を語った。(共同)