7回に同点3ランを放った侍ジャパン・吉田正尚(撮影・水島啓輔) (WBC準決勝、日本6x―5メキシコ、20日=日本時間21日、米国・マイアミ)侍ジャパンにとって、劣勢に立たされたのは今大会初の展開。重たい雰囲気の中で3点ビハインドで終盤まで進んだが、七回に飛び出した吉田の3ランで息を吹き返した。まさに起死回生。打撃の技術は日本代表で最も優れている。苦しい状況をはね返したことは、決勝にいい流れを呼び込めるはずだ。
先発の佐々木朗は直球の数が少なかった。まとめようとして、スライダーが多くなったのかもしれない。ただ、全米デビューとしては堂々とした投球だった。3ランで失点こそしたけれど、必ず成長につながる。
劇的なサヨナラ打で試合を決めた村上は、まだ力んだスイングをしていたのが気掛かりだ。かかとに体重がかかってしまうと、力強く打てない。だから力む、という悪循環になっているのかもしれない。いわゆる振り過ぎている状態。ミートもうまく、正しいインパクトができれば、力まなくてもオーバーフェンスできる力がある。そのことを思い出してほしい。勝利に導いた一本で自身とチームに、いい流れを呼び込んでほしい。(サンケイスポーツ専属評論家)