村上(中央)が決勝に導くヒーローとなり、歓喜の輪の中心で絶叫した(撮影・水島啓輔) 【マイアミ(米フロリダ州)20日(日本時間21日)】ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝が行われ、日本代表「侍ジャパン」はメキシコに6―5で逆転サヨナラ勝ちし、2連覇を果たした2009年の第2回大会以来となる決勝に進出した。不振だった村上宗隆内野手(23)=ヤクルト=が、4-5の九回無死一、二塁で2点二塁打を放って試合を決めた。3大会ぶり3度目の優勝へ、日本は21日(同22日)の決勝で前回王者の米国と激突する。
殊勲の村上を、大谷(後列左)も興奮した様子でたたえた(撮影・水島啓輔)大量のウオーターシャワーを浴びても、燃え盛った闘争心は、なかなか鎮まらなかった。もみくちゃにされながら、村上はわれを忘れ、何度もマイアミの夜空に拳を突き上げた。日本にとってWBC初となるサヨナラ勝ちで、3大会ぶりに4強の壁を突破。試合を決めた23歳は、野球人生最大級の重要局面を興奮気味に振り返った。
「何度も三振をして、悔しい思いをしていた。苦しかったですけど、何とか打てて、勝てて良かったです。結局、何度も何度もチャンスで(打席が)回ってくる。打つしかないと開き直っていきました」
4―5の九回、先頭の大谷がヘルメットを脱ぎ捨てながら激走する気迫の二塁打を放つと、吉田が四球を選んで無死一、二塁。ここで村上が打席に立った。
メキシコの守護神ガエゴスの3球目、高めの直球を捉え、打球は中堅フェンスを直撃。大谷が同点のホームを踏み、それを追い越す勢いで周東が生還して、激闘に終止符が打たれた。