試合後 大谷翔平からトロフィーを受け取った栗山英樹監督(中央)=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・長尾みなみ) (WBC決勝、日本3―2米国、21日、米国・マイアミ)日本は前回王者の米国に3―2で勝ち、2009年大会以来3大会14年ぶり3度目の優勝を果たした。
以下、栗山監督の主な一問一答。
--今の気持ち
「選手たちが本当にうれしそうな顔をしていたので、それがうれしかったです」
--優勝の瞬間、どんなことが頭に
「たぶん、アメリカの皆さんも最後の瞬間に翔平とトラウト選手という形になるとは(思わなかったはず)。理想ですけど。それを見ながら野球って本当にすごいなって。人生を表現しているというか、翔平が頑張ってきた形がああいう場面をつくったのかなと」
--大谷のリリーフ起用の決断は
「こっち(米国)にきて、18日の大学での練習日に本人と細かい話をしました」
--ダルビッシュもリリーフ起用した背景
「実はスケジュールを最初に見たとき、準々決勝から準決勝、決勝まで時差のある中4日で彼らがいけるのかっていうのは最初から考えていて、あえて僕の方からはそこは一切アプローチしない。彼らが逆に勝ちたいと思ったときに、何かアプローチしてきてくれると思っていたので、2人ともあるタイミングでいきますということをいってくれた。きょうも翔平がブルペンにいくタイミングが難しかったので、練習中に裏の導線とかをいろいろ見に行ったんですけど、翔平は『大丈夫です、自分でやりますから』と。翔平らしいなと思いました」
--野球界の未来に与えた影響は
「内容的に一番よかったのは、若い投手たちがこれだけのすごいメンバーのアメリカ打線に対して臆することなく投げた。もちろんアメリカの調整を見ていると開幕に全てを合わせる日本とは違って、ここから調子を上げてくる。調整が完全に整っていないにしても、それだけの打者に投げ切れたことは日本の野球界にとって素晴らしい財産だし、彼らにとって素晴らしい経験。そしてそれを見ていた日本中の子供たちがたぶん、かっこいいなって、野球をやろうと思った子が必ずいて、そういうことが僕はうれしい。そういう効果が今回はあったと思います」
--成功した要素は
「全ての選手が一生懸命やってくれたのが一番だと思いますし、心を通わせてチームをつくってくれたのが大きかった。戦術的にはきょうに象徴されるように、日本の特長は僕は投手だと、もし勝てるなら投手だと思ってやってきた。まさにダルや翔平以外の若い投手が、素晴らしい投球をしてくれて本当にうれしかった」