14三振を奪う力投を見せた前田。春連覇へ向け、上々の滑り出しだ(撮影・渡辺大樹) 第95回選抜高校野球大会第3日第3試合(2回戦、敦賀気比1-3大阪桐蔭、20日、甲子園)2回戦3試合が行われ、選抜大会の連覇を目指す大阪桐蔭は3─1で敦賀気比(福井)を破り初戦を突破。先発したプロ注目の前田悠伍投手(3年)が14三振を奪い、134球で完投した。広陵(広島)は5-0で二松学舎大付(東京)を破り、世代屈指の強打者、真鍋慧(けいた)内野手(3年)が3安打1打点と実力を示した。海星(長崎)は社(兵庫)に5-1で勝利した。
27個目のアウトを見届けた前田は、左手でグラブをたたいた。奪った三振は「14」。強打で知られる敦賀気比打線を手玉に取り、134球の完投だ。エースとして、主将としてチームを勝利へと導き、春連覇に向けて第一歩を踏み出した。
「初回は無失点で抑えようという気持ちで入ったんですけど、ピンチの場面を作ってしまって。けど、なんとか粘って抑えられて、後半にかけて力を入れていこうと思っていた。予定通りの投球ができてよかった」
大阪桐蔭・前田悠伍の甲子園登板成績立ち上がりは2死から連打を浴び、一、三塁のピンチ。ただ、5番打者を空振り三振に斬り、無失点で切り抜けた。2─0の四回には味方の失策から失点するが、「上半身だけで投げていた。下半身で投げることを意識した」と修正。尻上がりに状態を上げ、毎回奪三振をマークした。
今冬は下半身主導の投球をより意識づけるため、ジャンプ系などのトレーニングを主に実施。「リラックス。力を抜いたところから100%に持っていくというところを工夫してやっていた。脱力からのスピードボール」と〝脱力投法〟も心がけた。この日の球速は大半が130キロ後半。自己最速の148キロとは10キロ近くの差があったが、それでもバッテリーを組んだ南川(3年)は「球速以上に体感速度を感じた。伸びてくる」と成長を口にした。